飛紅真の手紙

自然、アート、社会問題を宛てもない手紙のように綴る

絶滅危惧種セツブンソウ、凛と咲く。

今日は準絶滅危惧種NT(環境省レッドリスト2007年エントリー)「セツブンソウ」の自生地へ。


節分を過ぎたので、そろそろ咲き始めるであろう時期。



以前から、とある県の集落の民家の裏山に群落があることを新聞報道で見かけた。




“春の妖精”とも言われ、
いち早く山野に咲く花である。
まさに節分の頃に咲きはじめ、春の訪れを告げる使者。



私の今年の花始めかわいいには最高の花。



しかし、何の目印も無いので、道路を何往復もする羽目にあせあせ(飛び散る汗)
ただの民家だし、なおさらわからん・・・
今の車(セダン)にはカーナビもないし、
道路の「○○地区」っていうのをいくつも確認しながら右往左往。

庭先に「節分草」と道案内があるそうなのだが・・・



車を降りデジイチを持って、それとおぼしき集落をウロウロ。

山の斜面に先客が見えたので、間違いなさそうexclamation ×2



これはガチで普通の民家ですけど・・・

入っていいのかかなり迷う。人の気配もない。

・・・失礼しま~す。




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庭先にあったあった、でかでかと。
でも、庭に入らないとわからない。
乱獲や盗掘が多いので、敢えてそうしているのかもしれない。



矢印があるので行ってみると
こんな可愛い案内が。

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民家の主の心遣いだろうか。


こういうのを見ると、敬意を表したくなる。
奉仕の気持ちで、鑑賞のために提供してくれ、毎年整備してくれていることを思うと。

胸がほっこりとした。





進んでいくと、
おっと、三毛猫が道案内?民家の飼い猫?
マイペースにウロウロとしている。

民家の裏手はすぐ山の斜面になっている。
半周できるように遊歩道として整備されている。


深い草丈の中では育たない節分草。
草刈という手入れがあってこその群落維持なのだろう。



中高年夫婦の先客に挨拶。
咲いている場所を教えていただいた。

一見すると、落ち葉だけに見えるので、
よっぽど良く見ないと普通に気づかないほど、目立たない花色であることがよく分かる。


あった~~~exclamation ×2

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本当に一見すると地味~なんだけど、

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よくよく見ると、
透き通った淡い紫に、雄しべの黄色がいいコントラストになって、
なんとも言えず、可憐。


今年は長引いた寒波の影響か、開花は少し遅いようだ。
なるほど、つぼみが散在し、まだいくつかしか開花していない。

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落ち葉を押し上げるくらい、<芽生え>という生命力はすさまじい。

こんな可憐な花も、
寒々しい枯葉の地面から、その細い身体を精一杯伸ばして、
まるで目覚めたように頭を持ち上げる。

かすかないのちの叫びのよう。

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そして、使命のごとく花を咲かせ、
儚く散り、
後世のため、結実する。

花の一生って、体当たりで命がけ。
なんてドラマチックなんだろう。

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夢中でカメラを構える私の格好といったら、
言葉にできません。
お見せできません。
はたから見たら、まさにマ○アではないでしょうか(_ _;)
(マクロがほしい、マクロが・・・)



群落を後にすると、
民家の軒下の外壁に「ご自由に写真を貼ってください」
とコルクボード一面に来訪者の写真がぴかぴか(新しい)

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これも、粋な演出。
セツブンソウを大切に思う人々の姿が浮かぶようで。

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