今回の大震災で、
ひとりひとり、
自分自身が、おびやかされ、
打ちひしがれ、
何かしら強く感じ、考えただろう。
日々の生活に甘んじて、
恵まれていることをこんなカタチで気づかされ。
実は一瞬一瞬が、
危険、死、脅威に晒されてることを思い知らされ。
失われること、損なわれること、おびやかされること。
悲嘆、不安、不平、不満。
いま、世の中“マイナスだ”ということに意識が向いている。
ここ最近の生活の不便さと放射能の脅威にストレスが溜まり始め、
来月から始まる新生活に、暗雲立ち込め。
そんな自分の小ささに自己嫌悪しながらも、
今日、
コミュニケーションが全く取れない患者さんと
なぜだか会話ができ、笑顔が見られたこと。
停電で、寒い家に帰りながら、
夕方の空が美しく、思わずカメラを構えたこと。
さっき読んだ谷川俊太郎の詩にこころが軽くなったこと。
1日でいろんな自分が、私の中を
ぐるぐるめぐっていた。


追い求めると
楽しみには哀しみしか残らない
甘えると
苦しみはいつまでもうずく
失うもののないこころには
喜びが流れ込んでくる
怒りが閉ざす
こころを閉ざす
うぬぼれがしばる
こころをしばる
おだやかにあれ こころよ
のびやかに しなやかに はれやかに
「おだやかに」
『すこやかに おだやかに しなやかに』/谷川俊太郎