飛紅真の手紙

自然、アート、社会問題を静かに叫ぶ。

青木ヶ原樹海で絶滅危惧種コアツモリソウに出会う。

~樹海ランレポート最終編です~

 

樹海の林道を進んでいくと、明るい林床にいきなりパッと(ニョキッと)現れたのが、サカネラン。

 

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何気に、環境省絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されている、ラン。

サカネラン(坂根蘭)は、根が上向きに伸びる性質から命名されたそう。

冷温帯の林床に生育する、菌に寄生する植物。

 

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40年前に山梨県の三つ峠で発見されたカイサカネランは一時は姿を消しましたが、

数年前に再び発見されたようです。

絶滅危惧種1A類として、きわめて絶滅に近い変種です。

 

この一株だけ、林道脇に現れ、日光のスポットライトを浴びていました。

 

 

 

そして、この観察会で一番のお目当て、絶滅危惧種のラン。

樹海の中の群生地に案内していただきました。

 

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コアツモリソウは暖温帯~冷温帯の林床に生息します。

アツモリソウ属としては花が小さく、葉の下で開花しているので目立ちません。

園芸用採取のための減少もありますが、目立たない植物のため開発や無意識の踏み付けにより

減少していることの方が多そう。

環境省の準絶滅危惧種(NT)に指定されています。

アツモリソウは群落をつくらず日当たりのよい林床に単生するのに比べ、コアツモリソウは地下茎を伸ばして樹林や林緑の日蔭を好み群落を作るそう。

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葉が小さく、丈が10㎝程度で葉の下に花が隠れ下を向くように咲いているため、目線を低くして葉の特徴を見ながら探さないと気が付きません。

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斜面林に群生地がありました。

地面に顔をこすりつけるような姿勢で、何とか花をとらえることができます。

下を向いているので花の顔の正面を撮るには、本当に苦労します。

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花は直径1㎝程度。

顔は小さな小さなアツモリソウそのものです。

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いろんな角度から、なんとか花の表情をとらえようと・・・

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コアツモリソウの群生が見られて満足し、

折り返しの道ではムヨウイチヤクソウの小群落を見て観察会は終了となりました。

 

 

富士の樹海には100種類ものランが生息するそうです。

富士山麓の厳しい環境下に順応できるよう進化した“フォッサマグナ要素の植物”とも言えます。

植物の多様性や順応性には驚かされるばかりです。

 

 

樹海ランレポートおわり