「レイプ神話」って知っていますか?
性暴力に対する「誤解や偏見」「無知」のこと。
性暴力は「なかったこと」「自分には関係のないこと」にされやすいという特徴があります。
性暴力被害者支援看護職の立場から、
・性暴力とは何か
・レイプ神話
・二次被害
について紹介し、性暴力は他人事ではないということについて考えてみたいと思います。
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1.性暴力についてどのくらい知っていますか?
被害者は、「あれは何だったのか?」「自分に何が起こったのかわからない」という人が少なくありません。
混乱し心に深い傷を負ったまま、支援や治療につながらない現状にあります。
一方で、誤った認識をもったまま加害の自覚がない加害者もいます。
すべての人が「性暴力とは何か」を正しく理解することがとても大切です。
「同意のない、対等でない、強制された性的行為」はすべて性暴力です。
これは世界共通の大事な定義です。性暴力はレイプだけではありません。
WHO(世界保健機構)は、性暴力を「強制や脅し、身体的暴力によって得ようとするすべての性的行為であり、被害者とどのような関係であっても、自宅や職場に限らずどのような場所であっても起こる」と定義し、
自分の身体について自分で決める「性的自己決定権」が侵害される、最も深刻な人権侵害としています。
具体的には、
同意のない身体への接触、レイプ、強制売春、AV出演強要、痴漢、盗撮、性的な画像を見せる、自撮り画を送らせる、避妊に協力しない、中絶を繰り返させる、性的な冗談やからかい、
など多岐にわたります。
また、「性暴力は若い女性に起こる」と誤解されがちですが、
男性、子ども、高齢者、障がい者、性的マイノリティーにも起こります。
性暴力はどこでも起こり、どんな意外な人物でも加害者になることがあります。
年長・権力・信頼・魅力など「パワー」を有する相手だと逃げようがありません。
「安全な場所」であるはずの家の中でも起こります。
2.性暴力=性犯罪ではありません
「性暴力」と、警察で扱う「性犯罪」とは必ずしも同じとは限りません。現在の日本の刑法で、
性犯罪として扱われるものは性暴力被害のごくごく一部、氷山の一角なのです。
性暴力は親しい人すら打ち明けにくいのが特徴です。
なぜかというと、「恥」「罪悪感」の感情が特に強く、家族や身近な人、地域社会にまで強いショックや無力感を与え、
「レイプ神話」によって二次被害を受けやすいためです。
警察への届け出自体が14.3%と非常に少なく(2020年度犯罪白書)、「犯罪」として認知されない性暴力が圧倒的に多い現状です。
知り合いの間で発生するため合意の有無が判断しにくい、密室で起こることが多く目撃者が少ない、身体に残った証拠が取りにくい、
などが届け出のハードルとなっています。
3.性暴力は非常に身近な出来事です
4.性暴力の二次被害を起こさないために
5.性暴力をタブー視せず、自分ごととして考えよう
性暴力が起きる背景には、立場が弱い人への優位性、性差別、暴力を容認する風土があります。
家庭や学校や職場、近隣などの身近なところに、こうした風土がないかどうか点検しましょう。
また、「性」の話題をむやみに避けるのではなく、誰にとっても大切なこととして普段から話せる社会であってほしいと思います。
どんな環境下、状況下、理由があっても「性暴力の責任は加害者」にあり、決して許されるものではありません。
性暴力について正しく理解し、身近にある性暴力に気づくこと、傍観者にならないこと、性暴力をタブー視しないことが大切です。
「性暴力はあってはならない」「性暴力はどこでも誰にでも起こる」という認識をもち、自分ごととして考えていくことからスタートしたいです。
性暴力被害について、実名で体験を語る当事者たちの貴重な書籍です。
幸運にも、3人とも直接講演でお話を伺うことができた著者たちです。
みなさん、凛とし強さとたくましさを持った女性たちでした。
1.2016年、110年ぶりの刑法改正の法制審議会で性暴力被害の当事者として尽力され、2020年から法務省の性犯罪改正に関わる委員を務めている山本潤さん。
『13歳、「私」をなくした私 性暴力と生きることのリアル』 ↓ ↓ ↓
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2.実父からの性的虐待を告発した、元タカラジェンヌの東小雪さん。
『なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白』
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3.自身のレイプ体験を実名で告発し、2020年米TIME誌「世界で最も影響力のある100人」に選ばれ、日本の#Me Too運動運動に貢献した映像ジャーナリスト伊藤詩織さん。
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