飛紅真の手紙

自然、アート、社会問題を宛てもない手紙のように綴る

絶滅危惧種、凛と咲く~Part2~

一週間前の6月4日、山梨県にある横尾山登山してきました。

横尾山はハルゼミの大合唱、
チゴユリやいろいろなスミレを傍目に。

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イチヤクソウ

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ツバメオモトぴかぴか(新しい)素敵な趣き。。。

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これは珍しい、クルマバツクバネソウぴかぴか(新しい)

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途中、尾根沿いに草原があり

キジムシロ、フデリンドウ、ウマノアシガタ、サクラスミレ(?)など
草原性の植物が枯草の中、顔を覗かせなんとも可愛いらしかったです。

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お気に入りの高原の植生に似ておりました。



そして頂上は、レンゲツツジのつぼみもまだ開かない、
芽吹きの始まった頃でした。



下山し、ご一緒している山友の案内で

なんとexclamation ×2あの、“絶滅危惧種”があるというので、
まだ花があるかどうか??ダメもとで県境まで車を走らせました。



ありました、草もほとんどない礫地に咲くのはオキナグサです。

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絶滅危惧II類(VU)にランクインしている、自生種は非常に珍しくなってしまった植物。


かつて多く自生していた草地は、農業に関わる手入れにより維持されていた面があり、
草刈などの維持管理がなされくなり荒廃したこと、開発が進んだこと、
それに山野草としての栽培を目的とした採取により、各地で激減しているそう。


なぜ“翁草”という名前が付いたのかはその姿を見れば一目瞭然、

開花後、白い雄しべが種子を付けた羽毛状となって
長く伸びることから老人の白髪に例えたそう。


ちょうど花の終わりかけ、果実になったものが混在している様子が見られました。

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この種子がさらに開くと、ますますご老人の白髪頭に似るそうです。

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こんな荒れ地に、
銀色の毛に覆われて、
うつむき加減なシックな色あい。

なんとも言えぬ佇まい。

ず~っと見ていても飽きません。


シカに食べられた跡もあり、
ここにはもう数株しか残っていません。
やわらかい砂のような土の容易に崩れるような斜面に咲いているような状態。
昔はもっとたくさんあったはずです。

数年先には、この場所では絶滅してしまう可能性も。。。

「あっちにひと株咲いてるよ」
と声をかけてくれたおじさん。

シャベルで整地したり、土が崩れるのを防止する石垣を作ったりしていました。
こうやってなんとかして人の手が守っていくことでしか、
自生できないんですね。


絶えてしまうということは、
ある意味で自然淘汰、その種の生存の力の問題もあるのか?
それとも・・・?


なんだか、
荒れ地と翁になった姿とが
オキナグサの切ない運命にリンクして
哀しい気持ちになりながら
自生地を後にしました。




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