飛紅真の手紙

フェミニストで精神看護専門看護師ブロガー、自然、アート、社会問題を綴る。

断捨離で手放せた「3つの囚われ」

2021年、新居への引っ越しを機に持ちモノを減らす必要性に迫られ、かなり減らしたかなと思いきや、とんでもない!甘かった!!

 

2022年、本格的に断捨離に目覚めた私。断捨離提唱者のやましたひでこ先生のyoutube、書籍を読み漁り、雷に打たれました。

モノを減らしていくプロセスで、ボロボロボロボロ・・・・人生にこびり付いた「垢」が剥がれ落ちていくような感覚を得ました。

この「垢」っていうのがまさに「人生への囚われ」でした。3つの「人生への囚われ」について書き残しておきたいと思います。

 

1.「よく思われたい」への囚われ
 
新居の設計の段階で、「収納は多ければ多いほどよい」「クロゼットや納戸、パントリーは広ければ広いほどよい」を頑として譲らなかった私。
かたや、「収納が広いとその分モノをしまいこみますよ」と忠告してくれていた1級建築士。最後まで攻防戦は続いたけれど、結局私の粘り勝ち。そして、断捨離を知ってしまった今、家中に設けた収納スペースは結局どこもガラガラ。収納を広く取ったおかげでその分のデッドスペースは増え、居住スペースは狭くなった・・・1級建築士の言うとおりだったです。さらには恐ろしいことに、引っ越して真っ先に買い漁ったのが100円均一や無印の収納ケース。3つも4つも購入したFitsのチェスト。結局2年の間に捨て続け(人に譲り)、もうほとんど残っていません。
 
「収納」=「片づけ」だと勘違いしてきました。
きれいに収納して(=隠して)おしゃれに見せるべき!と思っていたのです。結局収納ケースの中はぐっちゃぐちゃで、そもそも何が入っているのか把握(在庫管理)できていなかった。ぐっちゃぐちゃを隠したくて収納してただけ。結局は、中身はどうあれ他者の目から見て外面的に「小さい子どもがいるのに綺麗に片付いてるね!」「いつもちゃんとしていてすごいね!」と思われたかっただけ。いいカッコしぃだったわけです。
 
他にも、「よく思われたい」願望は至る所に。ScaLor(スカラー)が大好きな私。柄モノには目がない。毒かわいいところとか、色使いとかアートとして素晴らしいと思ってきました。だけどある時、幼稚園の先生から「その服って結構高いんですよね!」同僚から「ScaLorって個性的で飛紅真っぽいよね(笑)」って言われると、「これを買える余裕があると思われたい」「個性的、他の人とは違うって思われたい」という願望がムクムクと持ち上がってきた。気づくと洋服はScaLorにすべて統一するように。
 
でも、何度も何度もクロゼットやチェストの洋服をひっくり返し、「私がいま着たい洋服は?」と自問自答を繰り返すたびに、悲しい哉、でっかい柄やビビットなカラーがもう年齢的に合わないことにイヤでも気づかされることに。そしてついに今年、行きつけのScaLorのお店で別のブランドの服を購入した。必ず試着して、「着ていて気持ちいいか」「着ている私が自然か」を直感で選ぶようにしました。
 
他者から見て私がどう映るかの他者軸ではなく、「どういう自分でいたいか」という自分軸で選べるようになりました。好きなものを好きなように着てきた、選んできた、と思っていた私だけど、この歳になっても他者の目をものすごく気にしてきたんだなぁとつくづく思うのです。
 
 
2.「安心」「安定」への囚われ
 
「お金」関係の断捨離も激しい1年でした。もっといえば、お金という「安心」を思い切って断捨離しました。まず大きなところで「保険」を全部解約したこと。
 
大手生命保険会社の「死亡保険」「医療保険」「個人年金保険」「学資保険」「養老保険」。よくこれだけ掛け続けてきたと思います・・・。「万が一」「何かあった時のために」っていう、ガッチガチの不安の表れだったことが明白。保険は見直したほうがよいというのは5年も前には頭にあったのになぜできなかったのか。がんになったシングルの同僚が医療保険を掛けておらず、貯えもなかったためみんなからカンパを受けて手術したという衝撃。保険外交員からの都度の「洗脳」。客の不安を煽ることで保険会社の社員の給与を払っていたという保険の不都合な真実を知り、保険への熱量が一気に下がったのです。
「みんなと同じ」道を外れることの怖さ、「自分だけ損するかもしれない」ことへの悔しさで自分を目隠しして、現実を見ようともしなかっただけなのかもしれません。新たな備えの形として、「保険」ではなく「投資」にシフトしました。何かあった時のことを不安に思う「リスク」よりも、将来の資産が増えることを楽しみにする「リターン」に目が行くようになりました。ネット証券でほったらかし投資。もちろん数か月分の生活防衛資金は手元に残すようにしています。
 
お財布もミニマムにして、現金は極力使わず電子マネーやクレジットカード決済へ。お財布自体を持ち歩かなくていいようになったし、ATMへもほとんど行かなくなりました(いままでもインターネットバンキングも使ってはいたけど)。
 
大手通信キャリアから格安SIMへも切り替えました。「山に行ったときにつながりにくいから」とか、変えない理由を固辞してきたけど結局は「ただ面倒くさかっただけ」(笑)。いざ切り替えら、デメリットは何もありませんでした。
 
こうした「お金」の断捨離をしたら、偶然なのか必然なのか驚く変化が起こりました。手放すことで新たなものを手に入れられる体験をしたのです。
・ちょっとした資産贈与を受けた
・人事制度変更で基本給が結構上がった
・毎月、通帳残高を気にしなくて済むようになった
 
お金のストレスが減るだけでなく、お金のことを考えると「楽しい」というのは大きな変化です。将来のことを過度に不安がるのではなく、期待することができるなんて。
 
3.「こうあるべき」への囚われ
 
断捨離を続けて、大切なものを自問自答し続けると、「やりたいこと」「やりたくないこと」がよりクリアになっていきます。
 
これは一気にとか、目に見えてでなく内側から静かにじわじわと変化してきた感じがします。
 
iPhoneにメモした「やりたいこと」「やりたくないこと」を時々見返しています。
特に「やりたくないこと」はクスっと笑ってしまう。
いくつか紹介すると・・・
<やりたくないこと>
・5時間以上働きたくない
・交代勤務はしたくない
・チームプレーで働きたくない
・肉体労働したくない
・家事に時間をかけたくない
・ママ友づきあいはしたくない
 
「看護師としてあるまじき」「母親としてあるまじき」なことばかりで我ながらびっくりします。「こうあるべき」にがんじがらめになっていた自分にうんざりするくらい気づかされます。「やりたくないこと」を棚卸することで自ずと「やりたいこと」がクリアになるのです。
 
「長時間労働が当たり前」も断捨離しました。
現在育児短縮勤務で6時間勤務だけれど、目標は1日4~5時間。
時短といっても私だけの業務内容のため、翌日に持ち越すこともできることが多いので極力残業はしない。
働く時間や労力といった「インプット」を極力少なくして結果や効果といった「アウトプット」を最大にする「生産性」を高める働き方。これが私の目指す働き方。
研修や講義教材はストックして繰り返し使えるためクオリティ重視で、毎回少しずつブラッシュアップしたり、初めて作る教材には時間を惜しまない。
一方で、ファイリングや書類整理にかかる手間(コスト)を減らすため、ペーパーベースで極力持たずにデータ化する。
 
「家事は時間も手間もかかる」も断捨離しました。
鍋、フライパンは使わない。ガスコンロ自体ほとんど使わず、調理家電(ヘルシオ、ホットクック)を導入。
買い物も極力行かず、宅配サービスに切り替えました。
ダイソンで毎日寝室と洗面所とトイレを掃除(トイレスリッパもトイレマットも断捨離)していたけど、ルンバを導入したらダイソンをかける時間が節約できました。
「洗濯は外に干すのが当たり前」も断捨離して、基本は乾燥機にかけ皴になるものは中干にしたら、洗濯物を出す・取り込む(虫が入る!)とかに気を揉むコストが減りました。
 
育児に関してもそうで、「学歴偏重」の断捨離を心に誓いました。
長男が小学校に入学して、ウン十年も前の自分の小学校にタイムスリップしたのかと思うほど、何一つ変わっていないことに愕然とした。これでは子どもの将来が見えてしまう気がしたのです。
「よい成績をとる」「よい学校に行く」ではなく、「自分で生きていける力を身につける」「やりたいことをみつける」ことを大切にしようと決めました。
親が人生を楽しんでいる姿を見せること、親が育児を楽しむこと、これに尽きる気がします。
 
「やりたくないこと」を棚卸したことで、私のやりたいことはむしろクリアになりました。
その一部はというと・・・
<ミッション>
・人の人生を変えるくらいの「感動」「喜び」を生み出す
・世の中から「偏見」を減らす
・性暴力や虐待に苦しむ人を減らす
・トラウマを癒す
・弱者が尊重される社会をつくる
 
私に何がどこまでできるかわからないけれど、これだけ大きなミッションを掲げるとワクワクが止まらない。今年、ミッションの一歩として、性暴力支援看護職(SANE)として性暴力に苦しむ人への支援、予防教育としての性教育に携わるために行動を始めたこと。専門誌へ時々記事を書いて「やってきたこと」「伝えたいこと」を明確にすること。コロナで止まっていたブログを再開し、考えていることや活動を発信すること。
 
2022年、断捨離で手放せた3つの囚われ。
人間は社会の中でどこまでがんじがらめになるのだろうと思い知らされます。
手放すことで手に入る別の何か。
新しい自分に出会えるワクワク。
2023年はどんな私に出会えるのか楽しみでなりません。
 

断捨離は毎日できるんだ!1out1in(一つ手放してから一つ手に入れる)を心に留めたいものです ↓ ↓ ↓