飛紅真の手紙

フェミニストで精神看護専門看護師ブロガー、自然、アート、社会問題を綴る。

「子どもを9時に寝かせる」睡眠第一に根性をたたき直された本に出会う。

「子どもを早く寝かせる」

これが子育てと仕事を両立してきた8年間、私の一番の悩みであり、

私がどうやってもできない、一番の後ろめたい失態でした。

「うちは子どもと一緒に8時には寝るよ」「子どもは9時までには寝てる」と子どもを育てる同世代から聞くと、

「働いていないからできるんじゃない?」「パパだからできる」なんて内心毒づいてきたのは事実です。

一人目出産後の職場復帰から7年間、育児短縮勤務を取得してからはだいたい4時30分から5時には退勤し、こども園と学童をハシゴして子どものお迎えに行きます。

立場上、会議や研修など時短なのに残業も多いので、5時30分に退勤して6時のお迎えという日もよくあります。

帰宅して私は何するのかというと、子どもに手洗いやうがい、荷物の片づけ、おやつをあげてから、

お茶を淹れてお菓子などを食べながら「休む」というのが私の7年間の日課だったんです・・・(穴があったら入りたい)。

休んでいる時間はだいたい1時間~1時間30分くらいで、youtubeや録画した番組を観たり、ブログを書いたり、子どもとお話をしたりと1日の中で最もダラダラタイム、モグモグタイムを過ごすのです。

私がダラダラしているので、子どももダラけて宿題をなかなかしなかったり、「遊んで遊んで」と要求が高まるなど、家庭内の秩序が最も乱れる時間帯(苦笑)。

あっという間に6時30分~7時30分という、夫が帰ってきそうな時間帯に突入し、慌てて夕食の支度を始めます(うちは朝食が夫、夕食が私)。

「まだご飯作ってないの~?」「もうすぐ8時だぞ」とよく苦言を呈されるのが日課でした。

「働いて疲れてるから少し休ませてよ」が、私が休み時間を確保するための逃げ口上でした。

私の夕食作りの間に夫と子どもは入浴を済ませますが、案の定、入浴もスムーズにいくわけがなく、全員がそろって「いただきます」をするのは8時30分~9時になるという始末。

その頃には子どもは眠くなるし、お菓子でおなかいっぱいだし、疲れているしで、殺伐とした食卓になるのです・・・

ようやく子どもと一緒に寝るのがどう頑張っても9時30分、遅いと10時30分になります。

これが我が家の(いや、私の)痴態です。

 

2022年1月から断捨離を始め、モノだけでなく、人との関係性、時間の使い方あらゆるものを見直し始め、

夜は子どもと一緒に寝て、朝は4時~5時には起きる生活は完全に確立しているのですが、1年経っても「帰宅したら休みたい癖」がどうしても直らない(直す気がない)私でした。

そんなときに出会ったのが、小児脳科学者で教育学部教授、子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表の成田奈緒子先生のこの本。ものすごい本なのに、絶版で中古しかありませんが、kindleで電子書籍が読めます。 

「睡眠第一!」ですべてうまくいく

さらに成田先生の著作を立て続けに3冊読んで、

「早寝早起き朝ご飯」で子どもの脳や自律神経が健康に育っていく。それこそが親の役目。というのが先生の主張と理解しました。

高学歴親という病 (講談社+α新書)

毒親に育てられた成田先生は、現役で神戸大学医学部に合格し医師になったお方。自律神経失調症の子ども時代を過ごしたけれど、早寝早起き朝ご飯を徹底してからは健康そのもの。

大人も夜10時~2時までにしっかり睡眠をとって成長ホルモンをしっかり分泌させると、疲労回復、老化防止、免疫向上しメンタルも保てます。

忙しい医師夫婦の家庭ですが2人の育児は「何があっても8時には寝かせる」信条でやってこられたそうです。バッサリ斬っていく切れ味のいい語り口が読んでいて気持ちいい。

先生は教授職の傍ら、小児科医としても臨床をされているので、

「早寝早起き朝ご飯」でさまざまな親子のケースを改善に導いていったことを紹介しており、まさに効果を実証していると思います。

子どもが引きこもり、暴力をふるう、感情コントロールができない、うつっぽい、やる気がない、など「発達障害かも?」と思うケースでも、

生活リズムがグッチャグチャ、もしくは親の生活リズムに無理やり合わせているというケースがほとんど。

「え?こんなことで治るの?」と耳を疑いたくなるけれど、

まさに脳の発達途上にある子どもにとって、10~12時間の睡眠は必要不可欠な栄養素みたいなもの。

現代の小学生の平均睡眠は昔に比べ1時間減っていて、日本は平均睡眠時間は世界最低。この事実だけでもしっかり直面して自分の生活から改善しなければならないと思ったのです。

成田先生の最後のダメ押しのお陰で、「私自身が子どもを苦しめ、発達を阻害していた」、と悔い改めたわけです。

覚悟が決まれば、あとは行動に移すのみ。

私はやると決めたらやり通す、しぶとい性格の持ち主です。

「3年間で絵本読み聞かせ1万冊」も2年目に突入し淡々と続けています。

仕事は退勤時間までに切り上げて帰宅したら、座らずに夕食の支度のためにキッチンにポジションを死守。お茶はお菓子は立ったまま飲み食いしています。

夕食を7時に開始し、8時には私と子どもで入浴し、9時までに寝る。

やってみと、「休めないから疲れる」こともないし、ダラダラタイムがない分、自分への後ろめたさもなく、その分、朝4時に目覚めてからの朝活に全集中できます。

「仕事から帰ったらすぐに夕食の支度をする」という、世の中のママたちが当たり前にしてきたことを、私は放棄してきたわけで、何もドヤ顔であえて書くことでもないように思うのですが・・・(恥)。

私にとっては大きな変化で、最後の砦を攻略した気分なのです。

まさに「雷に打たれた」私。

いまとなっては「悔い改めたい」「滝に打たれて修業したい」気持ちの私。

7年間、特に長男には迷惑をかけてしまったし、脳や身体の成長にきっと害を及ぼしてしまったと思うのですが、

その分、成人するまで「9時に寝ろ!」と言い続けて脳を育て、私自身が9時までに寝る生活でモデルを示したいと思います。

生活リズムで悩んでいる大人も、子育て世代のママパパも、成田先生の著書はめちゃくちゃオススメです。

根性をたたき直してくれますよ。