飛紅真の手紙

フェミニストで精神看護専門看護師ブロガー、自然、アート、社会問題を綴る。

千畳敷カールの高山植物ガイド付きトレッキングが素晴らしかった。現地ガイドを利用して120%楽しむ

2週続けてワンオペで長野県の山に子どもたちとトレッキングに行ってきました。

私の大事な趣味の一つ、深山に咲く植物や高山植物を見に行くこと。

自然大好きな田舎生まれ田舎育ちの私と、アウトドアに全く興味のない都会生まれ都会育ちの夫、という致命的な組み合わせ・・・。最近ではお互いの趣味に無理に付き合わせず、尊重するようにしています。

子どもが生まれてからは、子連れで近くの山や高原に出かけたり、ガイド付き自然体験に参加したりするうちに、子どもたちも自然好きになってくれたようです。

今年はコロナも脱し、私の車も新しくしたので、「長野の山にお花を見に行くんだけどママと一緒に行く?」と誘ってみると、「行きた~い!」と。

1週目は霧ヶ峰にある八島湿原と車山へ。2週目は中央アルプス木曽駒ケ岳にある千畳敷カールへ。千畳敷カールは6年ぶりに行くことができました。

www.hikoushin.com

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夏休み真っ只中の休日にワンオペで8歳と5歳の子連れで行くことになるので、絶対に予定通りにはいかないことを見越して、余裕を持った移動時間を考えます。

木曽駒ケ岳の中腹、標高2612mの千畳敷カールまでは、30分間隔で出るバスと駒ケ根ロープウェイで一気に上がれるのですが、駒ケ根ロープウェイのホームページを見ると、2時間待ちが考えられる、とのこと!

木曽駒ケ岳の山頂まで登る登山者は出発が早いことを考えると、バスターミナルの駐車場も停められなくなると悲劇なので、朝4時30分に出発できるよう前日から準備を万端にしました。朝ご飯は道中のコンビニで購入し車中で簡単に済ませます。

7時30分にバスターミナルに到着できたことが功を奏したのか、駐車場⇒バス⇒ロープウェイと待たずに接続でき、千畳敷カールには8時30分に到着することができました。行きのロープウェイは真ん中になってしまい視界ゼロ(泣)。

この後も、朝早い行動がプラスに影響していきました。

ロープウェイ乗り場を出ると、デッキからは雲一つない真っ青な空に、千畳敷カールの絶景が目の前に雄大に広がり、大感動!

観光客や登山者も、大の大人たちが「わ~すご〜い!」「来てよかった~!」と歓声を上げていました。

夏に山で雲が出ないというのは梅雨明けから秋雨までの短い間しかありません。気温が上がってくると上昇気流に乗って雲が上がってきます。

山をバックに、なかなか落ち着かない子どもたちを何とか並ばせて写真を撮っていると、私たちの様子を見ていたのか「3人で撮りますよ」と声を掛けてくれるやさしそうなミドル女性が!

きっとシングルマザーに見えるんだろうな、と思いながらご厚意に感謝し撮っていただきました。

実はそのミドル女性、千畳敷カール遊歩道を1周して高山植物をガイドするツアーのガイドでした。

「50分程度のツアーなんですがお花が好きならもしよかったら。お金がかかっちゃうんですけど…」と申し訳なさそうに言うのですが、私は一つ返事で参加を希望しました。

50分のガイド付きツアー、保険付きで大人1500円はお手頃!マイナーな高山植物は解説があると何倍も楽しめるし、素人には知り得ないその山にしか咲かない種類もあるので、現地ガイドを利用しない手はないです。

ガイド付きトレッキングは駒ケ根ロープウェイのホームページでは存在を確認できなかったので、偶然の出会いに感謝!

ガイドさんによると、今日のように南アルプスと富士山がよく見える日もラッキーとのことで、ツアーが始まる時間まで写真を撮りました。中央にうっすら見える台形が富士山。

ガイドツアーは私たちと、大阪からお越しのシニア男性が1人、計4人でした。

現地ガイドさんじゃないとわからないであろうたくさんの情報を得ることができました。

今年の千畳敷カールの高山植物は2週間早く開花し、もうお盆の花が咲いてしまったとのことです。メインの花は見ることができず(涙)。図鑑やガイドブック上では高山植物の見頃は「7月下旬~8月上旬」ですが、近年の温暖化の影響で開花時期が早まっており「7月中旬がベストシーズン」になってきているそうです。早っっ!!!

千畳敷カールには10時になると雲が上がって眺望不良になるので、10時前に来て散策するのがベスト、南アルプスと富士山も朝しか見えないという情報も入手!こういう現地の気象条件はどこにも書いてないし、1~2度行っただけではわかりません。

先頭はガイドさん ↓ ↓ ↓

宝剣岳や木曽駒ヶ岳に登っていくたくさんの登山者たち。↓  ↓  ↓

 

 

高山植物についても本当に詳しく解説していただきました。50分では時間が足りないくらい。

氷河期からここで生き残ってきたことを考えると、こんなに可憐に見えるのに本当にたくまい。強風と雪に耐えられるよう背を低くした「ほふく型」が多いのも高山植物の生存戦略です。

高山植物を一眼レフで撮るときには、背景に山岳風景を入れて撮るのが好きです。

 

雪解けが遅い岩肌や窪地の斜面には開花が遅い分、高山植物が多くみられました。

タカネヨモギは低地に生えるヨモギの何倍も強いにおいを発し、千畳敷カール一帯がタカネヨモギ臭でした(笑)。この時期ならではかもしれません。独特な匂いに誘われて高原など高地に住むマルハナバチがたくさん花粉を集めに来ていました。マルハナバチは同じ花の花粉しか集めません。タカネヨモギ係、ヨツバシオガマ係、みたいな。高山植物の花粉って何て貴重〜!

黄色い真ん丸なのが花粉団子。みんな大きな花粉団子を抱えて忙しそう。


10時近くなってくると、たちまち雲が上がってあっという間に山が見えなくなってきます。

 

絶景の撮影ポイントでは何度も雲に覆われてしまうのですが、10分程度待てばまた視界が開けます。

この場所でガイドツアーはおしまい。やさしく丁寧なガイドさんとの出会いに感謝。このガイドツアーに参加して大満足、大正解でした。

通常なら一周して終わりなのですが、ゆっくり高山植物の写真を撮りながら来たルートを戻ります。これが登りなので結構きつかったです。

標高2612mの千畳敷カールは高山帯(2500メートル以上は高山帯)。いつ高山病になってもおかしくない標高なので、千畳敷カールに到着してから千畳敷ホテルに戻るまでに計3時間行動しましたが、心臓がバクバク、軽い頭痛もしてきました。子どもたちは「少しドキドキする」程度だったので、ゆっくり休みながらランチすることにしました。

遊歩道といえど、大きな岩がごろごろしていて、つまずいて転ぶ人も何人か見かけたので、最低でもスニーカー、登山靴なら安心です。ケガ防止と防寒のため(気温は15度程度で雲が上がってくると体感温度が下がる)長袖長ズボンは必須、つまずいたときや、体勢を崩して手を着いたときのケガ防止のため指先が出る薄手の手袋があると安心です。

左に見えるのが千畳敷ホテル ↓ ↓ ↓

千畳敷ホテルに併設され、山がよく見えて観光客や登山者誰でも利用できる「2612カフェ」。

こういった観光地に併設された食堂って、味はごく普通なのに観光地価格で残念なことが多いけど、何を食べてもびっくりするくらいのクオリティの高さ!!!山で食べるというシチュエーションを抜きにしても、その辺のレストランにはないおいしさ!!!

そっか、ホテルランチだからか!シェフが作っているから美味しいわけだ!次も絶対にここで食べると決意しました。この日、頂いたのはホットドック、デミグラスハンバーグ、ソースカツ丼。

他にもオムライスやカレーなど定番メニューではあるのですが間違いなく美味しいと思います。次は別メニューにしよう♪

千畳敷ホテルの売店では、ここでしか買えない(ネット販売もなし)モンベルの千畳敷ホテルオリジナルTシャツを2パターン購入!登山グッズはほとんどモンベル、といってもいいほどモンベル好きな私です。

帰りのロープウェイでは窓側を死守し、最高の眺望が楽しめました。

千畳敷カールは、同じ長野県の乗鞍岳畳平よりは高山植物は少ないですが、軽装で、割と狭い範囲をトレッキングできて絶景が気軽に楽しめる、本当におすすめの場所です。高山植物が好きならガイドツアーは絶対おすすめ!早朝から行動すべし!