飛紅真の手紙

フェミニストで精神看護専門看護師ブロガー、自然、アート、社会問題を綴る。

12年目のトヨタ愛車、乗り続けるか購入か。自分にとっての車の価値を考えてみた

初めての新車購入から12年目に突入します。走行距離は10万6千㎞弱。特に故障もなく、大きな事故もなく、調子のいい状態でここまで来ることができました。

車には全く詳しくないため、半年に1度のディーラーメンテナンスを欠かさず行い、大切に乗ってきましたが・・・。

 

乗り換えを悩むタイミングに突入。なぜかというと、11年目くらいからボンネット、ルーフの塗装が急に剥げてきたのです。

外装のメンテナンスは特にせず、ガラスコーティングも新車購入時以降塗り直すこともなく、6年目くらいから半年に1度のディーラーメンテナンス時にも手洗いでなく洗車機にかけるようになっていました。

自宅にはカーポートはないので、野ざらし。職場の病院の駐車場にももちろんありません。さらには、コロナ前&2人目出産前までは毎週のように山に繰り出していたため、雨・風・紫外線などにさらされ続けてきた愛車。

 

ボンネット ↓ ↓ ↓  


ルーフ ↓ ↓ ↓

 

ドア上部 ↓ ↓ ↓



問題なのは見た目だけ。「車の寿命・乗り換えタイミングは10年10万㎞」というよく聞くフレーズが頭をよぎります。「タイミングベルト」というエンジンに関わる部品の交換目安が10万㎞というのもあるらしい。けれど同時に「気に入っているし、まだまだメンテナンスすれば乗れるのにな~」という心情が湧いてくるのです。

 

最近の車は性能がよいのでなかなか壊れないし、経年劣化した部品を交換しながらなら20万㎞でも30万㎞でも乗れるそうです。ただ、修理費用が数十万と大きくなし、新車登録から13年目以降は自動車税・重量税が増税するという壁もあり、誰しも乗り換えを迷うわけです。

5年ごとに新車に乗り換えさせる残価設定ローンとか、「10年10万㎞」で乗り換えさせるとか、自動車業界の戦略なのかとも思ってしまいます。

 

大切に乗り続けた愛車にまだまだ乗れるなら乗り続けたい・・・

車は贅沢品だし、購入費用は多額なので、できるだけ節約したい・・・

見た目さえ何とかできれば、13年目の車検といわず、15年目の車検も通せるのでは!?と考え始める私。

 

そこで、自動車整備工場3社に上記の写真で合見積もりを取り、一番よさそうな1社に車を実際に見てもらい詳細な見積もりを取りに行ってきました。

 

そこで最後通告を受けました・・・

非常に親身になってくれた店長さん。見積額は25万円。レッドやネイビー、ブラックなどの濃いボディーカラーは塗装が剥げが白く見えてより目立ちやすいとのこと。「レッドは特にこういう現象が起こります」と。

「メンテナンスが悪かったんですかね」と泣きを入れてみましたが、定期的にガラスコーティングをすればいいという問題ではなく、紫外線の影響が最も大きく、ガレージやカーポートがあれば多少は防げるものの、どんな高級車であれ10年するとどの車も塗装が剥げる「劣化」は防げない、とのこと。

周囲を見渡せば車がピカピカに見えてくる(隣の芝生は青い)けれど、短いスパンで乗り換えているというより、白とかパステルカラーなど塗装剥げが目立ちにくいボディーカラーを選んで乗っているのかも。

世界最高峰の技術水準を持つ日本で、10年以上もつ塗装はないのでしょうか・・・そもそも街乗りや通勤など家庭用に想定された車は、10年以上乗り続ける前提で作られていないのかも。

 

私の車の場合、ボンネット、ルーフだけを塗り直せば解決ではなく、ドア上部など紫外線が当たりやすい部位は塗装剥げがすでに始まっており、同じように悪目立ちするのは時間の問題とのこと。オールペン(全塗装)でもしない限りはイタチごっこということ。

 

涙ぐみましたね。

小手先だけの部分塗装ではもはやどうにもならず、放っておけば時間と共に車が一気に白くなってしまう!!それが嫌なら60万以上もする高額なオールペンをするしかない。

余命宣告を受けた気分でした。よし頑張ろう!と決意して重い腰を上げた矢先に頭を押さえつけられる。「これをアスピレーションのクーリングダウンっていうのか~」(社会学用語で達成欲求の冷却、意欲をくじくの意)と妙に納得してしまいました。

 

本当に残念だけれど、オールペン費用を出すなら、安全装備がある新しい車に1日でも早く乗る費用を出す方が生産的だと私は考えました。けれど正直、安全装備よりも何よりも、白くくすんでいく愛車を見るたびに自己肯定感が下がることの方が最も重大でした。

そして、許容できない見た目ってあるんだなぁ(見た目にも限度ってもんがある)ということに気づきました。悲しいけれど、自分にとって大切な愛車も自分にとっての価値が下がってしまった瞬間でした。

 

今回、乗り換えるか乗り続けるかをじっくり悩み、納得せざるを得ない決断ができたことに後悔はありません。自分の中でしっかり決着がつけられたし、残り少ない希望を叶えられるか、自分がそこまでして叶えたいかを自分に問うこともできました。

 

10年10万㎞過ぎたから乗り換える「思考停止」だけは避けたかった。車は消耗品でなく贅沢品。家購入と同じく重要な人生の決断。

人生における大事な決断においては、他に選択肢はあるのか?それを選択したらどうなるのか?自分は本当にそれで納得できるのか?自分は何を一番大切にしたかったのか?しっかり考え尽くせる自分でいたいです。