飛紅真の手紙

自然、アート、社会問題を静かに叫ぶ。

夏野菜を畑に直接種まきして収穫できるかチャレンジした結果発表【自然農の家庭菜園】

自然農で家庭菜園を始めて3年目の今年は、畑の養分が枯渇して一番収量が減り、病虫害が出るといわれる「3年目の壁」の時期です。

自然農2年目は、2万円ほどかけて有機農法家の方から有機栽培の夏野菜苗(ナス、ピーマン、ミニトマト)を購入して定植しましたが、特にミニトマトは草に負けてヒョロヒョロに育ち、蛾の幼虫にやられまくり、収穫できた実は1年目と比較にならないくらいの少なさでした。


1.「3年目の壁」に直播き実験

どうせ「3年目の壁」で野菜が期待できないならば、苗にコストをかけるよりも思い切って自然農の真骨頂、「種の直播き」にチャレンジしようと思い至りました!

自然農をやっていると行き着くのが「育苗」「苗立」です。温室ハウスや温床で自分でポット苗を育ててから畑に定植する方法。ある程度大きくなって丈夫なので虫に食べられにくいし、病気にもなりにくい。最適な時期を狙って畑に定植もできます。しかし、これはめんどくさがり屋の私には無理!!育苗する場所もないし!!

「夏野菜ってポット苗の定植じゃなきゃ育たないの?」というそもそもの疑問が浮かび上がり、「畑に直接種をまいちゃえ!」という思考回路になったわけです。

苗を定植するよりも種から畑で育てるとなると、地温が上がるまで直播きを待ち、半分は虫に食べられるくらいの覚悟でのんびりやらないと、がっかりしてしまいます。種からの生育期間を考えたら必然的に夏野菜の収穫は秋になるので、夏真っ盛りに夏野菜を食べることは諦めます。

実は、自然農を提唱された川口由一さんも、「種おろし」と呼んで基本的には野菜を育てる場所への直播きを大切にされています。

 

長年、自然農法の畑で育てられ種とりされた、自然農法・有機栽培に適した「自然農法センターのタネ」を購入しました。

 

2. 直播きしたミニトマトの経過

在来種のブラジルミニ、5月26日種まき。

最低気温13℃まで上がってきたところで種を下ろしました。1週間ほどすると発芽し、6割ほど発芽しましたが残りはナメクジに食べられたのか消えました。発芽から約1ヶ月後には10㎝丈ほどまでに成長しました。

 

7月19日、草丈15㎝くらいに成長。だいぶ大きくなってきました。やっと園芸店やホームセンターで売っている大きさになりました。間引きをして1本立ちにします。

 

7月25日、開花が始まりました。草丈も伸びて倒れてしまうので支柱に誘引しました。

 

8月1日、一番果が実りました。

ゲリラ豪雨で支柱ごとなぎ倒され、1か所根が少し持ち上がってしまっていましたが、完全に抜けてはいなかったので慌てて復旧。8月は茎が茂り花ばかり咲いてなかなか実が赤くなりませんでした。芽掻きもしましたが、花が咲いてからの実りまでが異様に長い。雨が多かったせいか、株が弱って蛾の幼虫が大量発生し、慌てふためきました。

 

9月14日、まともに赤くなった実を収穫。

9月に入ってようやく赤く色づき始めましたが、全体の1割という状況。

 

10月28日、実はなかなか赤くならず。

花は咲き続け、実ってはいるものの気温も下がってきたのでもう赤くなりません。11月に入った頃には種とりは諦め、ミニトマトはすべて片づけました。


3.直播きしたナスの経過

6月4日種まき。

自然農法センターのタネ、在来青ナス、信越水ナスを購入し、最低気温14℃になった6月4日にまきましたが約20日後には8割発芽していました。

 

乾燥気味の畝にまいた信越水ナスは発芽を20日経っても確認できなかったため、6月23日にまき直しました。梅雨時なので水はけ対策にもみ殻くん炭をまきました。

 

7月9日、畝の一部で信越水ナスの発芽を確認。しかし、本当に発芽しにくい。

 

7月25日、発芽してから1ヶ月経過。成長は超ゆっくり。前作はササゲマメとスナップエンドウなので、養分不足というよりも考え得るリスクは水分不足かもしれません。

 

8月16日、軸が長くなり葉も大きく展開してきました。


9月1日、信越水ナスの一番果が実り始めました。一番果は早めに摘み取ります。結局実ったのは2個。

 

在来青ナスは9月下旬にようやく開花し、10月28日にようやく収穫を迎えました。時期をずらして2個収穫できました。

 

4.直播き実験の正直な感想

ナス科(ミニトマト、ナス)直播きは「ムズい!!」の一言です。そもそも発芽させるのに一苦労、時間がかかるだけでなく、頑張って草マルチをして育てても最後まで大きくならない株もありました。また、収穫まで考えると種まき時期の見極めが重要だと感じました。5月下旬~6月上旬では遅すぎたので、私の地域では5月上旬にすれば9月にようやく実り始めるくらいかもしれません。

特にナスは畑の養分・水分が十分ないと成長が難しいです。ウチの自然農畑は草マルチの養分だけだったので、成長は本当にゆっくり。草マルチだけでは自然農3年目の枯渇期は難しかったかもしれません。米ぬかなどの補いが必要だったのかもしれません。

しかし、種から実るまでの成長過程を見ることができたのはよかった点です。収穫量はどうあれ、ミニトマト・ナスは直播きをしても収穫まではできる!ということも確認できました。

結論としては、「3年目の壁」で夏野菜の直播きに挑戦するにはハードルが高すぎました。畑が豊かになった数年先に再チャレンジしたいです。

 

私の自然農の足跡はこちらの記事からどうぞ。 ↓ ↓ ↓

自然農の直播きは自然農提唱者の川口由一さんの著書を参考にしています。

川口由一監修:『自然農・栽培の手引きーいのちの営み、田畑の営みー』↓ ↓ ↓

川口由一監修:『完全版 自然農』↓ ↓ ↓

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