飛紅真の手紙

フェミニストで精神看護専門看護師ブロガー、自然、アート、社会問題を綴る。

自然農で家庭菜園3年目に突入!めんどくさがり屋な私でもほったらかし気味に続けられる秘けつ

「耕さず、肥料や農薬を用いず、草や虫を敵としない」農法である「自然農」を自宅の庭で初めて3年目に突入しました。

自分のこだわり以外はどうでもよく、面倒くさいことが大嫌い、という極端なところがあり、

草取りをどっちがするかが喧嘩の種になるほど、庭の手入れに苦労してきた両親を見てきた私は、

ガーデニングや庭のメンテナンスは一切やらないと心に決め、

「庭木や花は一切要りません!」と新築設計時にハウスメーカーの1級建築士を押し切り、庭を砂利敷きにするほど。

そんな私が自然農に魅せられ、庭の一部を家庭菜園にして週末に家族と畑作業に勤しむとは、自分でも驚きです。

めんどくさがり屋な私が、ほったらかし気味に自然農で家庭菜園を続けられる秘けつをお伝えします。

 

■自然農を始めたきっかけ■

「老後に夫婦で畑をやろう」と、

庭をすべて砂利敷きにするのではなく、一部を更地にしておきました。

「何もしないのはもったいない」と、

植物を育てた経験のない都会育ちの夫が、何の下準備もなくインゲンマメの苗を植えたことがそもそもの始まりでした。

園芸のアルバイト歴5年の経験があり、山好き山野草好き(けれど育てるのは好きじゃない)な私は、口出ししたくて居ても立ってもいられなくなり、

「どうせやるならちゃんとやろう!」と夏野菜を植えることに決めました。

農機具を購入して、耕し、草を抜き、石拾いをし、畝を立てました。

石灰やら牛糞やらをまいて、後は雑草予防のビニールマルチを敷くだけになった段階で、

「マルチ敷くのがめんどくさい!やりたくない!」という気持ちになり、マルチなしで野菜を育てる方法がないかを調べていました。

そこで行き着いたのが、農チューバ―の「ちょこっと自然農」のかーびーさんのコチラの動画。↓ ↓ ↓

youtu.be

私の中では名作!目から鱗が何枚も落ちて、まさに私を自然農の世界にいざなってくれた恩人なのです。

マルチを使わない、農薬も肥料も使わない。何なら極力草も虫も取らず耕やさない。自然の力を最大限活かした農法を実践されていました。

「ほったらかしで楽に野菜を育てたい」「環境負荷を少なくしたい」

というビジョンが完全一致していたので、

以降はかーびーさんの動画をすべて視聴し、自然農の提唱者である川口由一さんの著作なども参考に、見よう見まねで始めました。

 

■冬は何もしないとあきらめる■

1年目は、耕してしまった挙句にマルチも敷かない畑は、

土の中で眠っていた種が掘り起こされ光を浴び、「これでもか!」というほど一面メヒシバなどの夏草が腰の高さまで生えまくりました。

それでも、耕したことで蓄えられていた有機物が分解されて1年目の夏はミニトマトやナスはたくさん収穫できました。

次は冬野菜!と意気込み、所狭しといろいろな種をまきましたが、

標高350mの自宅では冬の寒さが厳しく、トンネルなどの保温もしない、さらには土も全然出来上がっていないため、冬野菜はまったく育たず・・・心が折れかけました。

12月~1月は氷点下の毎日なので、外にも出たくなく畑作業なんてとんでもない!と、痛感した自然農1年目の冬でした。

これを機に、「冬は何もしない」と決め、2年目からは春に向けて11月にエンドウマメをまいて冬ごもりにしました。

 

■無駄なことはしない■

1年目の夏はあまりの暑さに心配になって3日に1度くらい水をまきましたが、2年目からは水やりをやめました。

草を生やしておけば水分も土中に蓄えられて基本的には自然農では水やりは不要なのです。

そういった基本を知っているのと、固定観念からむやみに水やりをするのとでは、時間も労力も変わります。

 

根っこからの草取りも無駄です。日当たり風通りをよくする草刈りと、野菜の株元に刈り草を敷く「草マルチ」こそが必要なのです。

 

むやみやたらに地表面を耕すことも畝を立て直すことも無駄です。

耕してフカフカな土にしておかなければいけない!というのは思考停止です。

自然農では草の根こそが土中に空気を送り込み、さまざまな微生物や根粒菌を増やして豊かな土にしてくれるので、

ワンシーズンごとに土をリセットするために耕したり畝を立て直すのは不必要なのです。

 

■期待しない■

自然農あるあるとして語られるのが、「1年目はそれまでの土の有機物で野菜が育つが、2年目~4年目くらいまでは有機物を使い切り、野菜が育たない」というもの。

多くの先人たちが同じように経験談を語っているので、

私も悪あがきはせず4年目くらいまでは土を育てることを一番に考え、

収穫は期待せず気長にやろう、と割り切りました。

2年目の春から緑肥としてクリムソンクローバーを畝の肩や畝間にまき、

畑ではマメ科の中でも最強に土を肥沃にしてくれるササゲマメ、枝豆、個人的に好きなスナップエンドウやさやいんげんなどのマメ科をメインに育てました。

そのおかげか、3年目の春は畑にカラスノエンドウやスズメノエンドウ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウなど比較的肥沃な土地に咲く春の花が増えました。

今年3年目なので、一番野菜ができないと言われる時期に突入しますが、どんな状況になろうと、のんびりおおらかに構えたいと思います。

 

■見た目を気にしない■

周辺は農家さんの畑だったり、自家用に本格的に家庭菜園をされているお宅が多いので、

マルチが張ってあったり、耕して草も生えていない綺麗な畑がほとんど。

私の畑は一見すると草も生やしっぱなしで「ほったらかし」に見えます。

本当は草も調整しているのですが。

1年目は近隣の方から、何やら新入りが畑を始めたようだ、と

「頑張ってるね~」「いろいろ植えているね」と声を掛けてくださるので、

「初心者なので見よう見まねでやってます」「自然農に挑戦してます」と、

あくまで初心者なりにやっている、ということを表明しました。

冬こそ畑には出ませんが、春から秋は1~2週間に1度は畑作業を家族でワイワイやり、

草が迷惑にならないように隣との境界はこまめに草刈りをしているので、

“最初だけじゃなかった“

“ほったらかしにしているわけではなさそう“

ということは伝わっていると思います。

 

■虫や草と友達になる■

私は虫は得意ではありません。

こんな私が自然が好きというのもやや矛盾しますが、

虫がもうちょっと得意だったらなといつも思うのですが、好き嫌いはそう簡単には変えられませんね。

しかしながら、自然農では「草や虫を敵としない」、つまりは生態系の循環を重んじなければならないので、

むやみやたらに忌避するのではなく、彼らついてよく知らなければ仲良くできません。

差別は「無知」から生まれるんですよね。

長男を小さなころから山に連れていき虫好きに育てたので、長女もそこに続いて虫好きになり、畑は子どもたちの教科書になっています。

子どもたちから教えてもらうことも多く、図鑑を見返しながら「今日いた虫は何だったんだろう?」と調べて、彼らについて知ることに努めました。

2年目はササゲマメや枝豆、インゲンマメにありとあらゆるカメムシが発生し、悩まされました。

枝豆はカメムシに吸われて膨らまず1粒たりとて収穫できませんでした。

生態系の循環がまだできあがっていませんが、

いずれはカマキリの棲む畑を目指しています。

さまざまな虫が棲み、いいバランスで調和する畑。

嬉しいことに2年目の終わりにはアスパラにカマキリの卵が産みつけられました。

 

■畑の変化■

裸の畑から、緑の畑にゆっくり変化していきました。

これからの畑の成長が楽しみです。

毎朝リビングのカーテンを開けて一面に広がる畑を眺めるのが日課となっています。


~1年目~(2021年5月撮影)

 

~2年目~(2022年5月撮影)

 

~3年目(2023年4月撮影)~

 

私のバイブル。自然農法家、プロの間でもバイブルとなっている、自然農を提唱す川口由一さんの著作はコチラ。

川口由一監修:『自然農・栽培の手引きーいのちの営み、田畑の営みー』↓ ↓ ↓

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