飛紅真の手紙

フェミニストで精神看護専門看護師ブロガー、自然、アート、社会問題を綴る。

「土中環境」が山と川の循環につながっているという驚愕の事実【自然農の家庭菜園】

ここ2週間、ずっと畑の水はけ改善を考え続けたどり着いた、環境再生医である矢野智明さんの「大地の再生」手法。

その影響を受けた高田宏臣さんの「土中環境」という、さらにわかりやすい環境再生の手法に出会いました。

何だろう・・・自然農を始めたこの3年の間に、芋づる式に目鱗なものにまたしても出会えってしまった、という幸運を感じています。

私はこれまで山や高原を歩き回り、「自然をこよなく愛する」とか言っておきながら、植物や昆虫や木々の循環といった「土の上の営み」だけを見ていたことを痛感。

自然農を始めて、私たちの足元、「土の中で何が起きているのか」ということを、いい歳になって真剣に考えるようになりました。それは「土中環境」であり、山と川の循環につながっていたんだ!!!

山は巨大なポンプとなって高い木々が水を下から吸い上げ、余った水が川底から沸き出す、って知っていましたかー???

雨は大地に浸み込んで伏流水(地下水)となり、地下の伏流水域(健康な地下水脈)があれば洪水は起きにくいって知っていましたかー???

菌糸が団粒構造を毛細血管のごとく張りめぐらされ、菌糸を通って水が上下し浄化されるって知っていましたかー???

本日、高田宏臣さんの『よくわかる土中環境』を読んで、知っているようで知らない、学校でも教わらなかった事実を知って、いまものすごく興奮しております。

 

山の尾根の岩から水が浸み込み、木々の根によって地下まで浸透し、川や地下の伏流水となる、というダイナミックな山の働き。土中の目に見えない菌糸が水と空気を絶えず運んでいるという、菌糸のミクロな働き。

これらすべてが健康に働いてこそ、水と空気がうまく循環するのですが、山の尾根を太陽光発電所のために削ったり、コンクリートの砂防ダムで山肌を固めたり、護岸工事などで川をコンクリートで固めることで、水がうまく土中に浸透せず、泥ばかりが堆積し、木が枯れ、限界を超えると土砂崩れや洪水が起こるといいます。

さらに被害を食い止めようと砂防ダムで固めることで、ますます悪循環となってしまう。

最たる例が、2021年に起きた熱海の土石流。これは山や川で起きているんじゃない、私たちの住む至る所で起きているんだ!!!

コンクリート張りの駐車場、

三面張り水路(両側、川底がコンクリート)、

マンションやビルが密集して木や垣根がない、

人の手が入らずヤブ化した雑木林、

埋め立てられた池、固められた川、

建物や道路が作られるたびに水が浸み込まずコンクリートで固めた「排水溝」に流すだけとなり、泥が堆積し川は汚れていきます。いかに至る所で土中に水を浸透させやすくすることが大事かを思い知らされました。

 

高田宏臣さんの提唱する方法が手早く簡単で「お見事」なのです。地面にドライバーで「グリグリ」穴をあけ、竹炭とくん炭を振りまき、落ち葉や枝葉などをつめるだけ!

または、スコップや移植ゴテで30~60㎝の深さのもう少し大きな穴をあけて、炭と落ち葉をつめるだけ!

これで炭や落ち葉を土壌細菌が分解して菌糸を地中に伸ばし、水と空気の「通気浸透水脈」をつくることができるのです。駐車場のコンクリートのすき間、畑の畝間、庭木の根っこの周りに施すだけ。

我が家の畑には落葉樹がなく落ち葉が手に入らないので、畑に木を植えようかな、と本気で考え直しているところです。

まずは竹炭と燻炭を大量に注文して、梅雨前に駐車場や玄関アプローチに通気浸透水脈をつくろうと思います!

 

足元の土中環境は山や川とつながっているんだな、と深く納得しました。普段は意識することがなかったダイナミックな自然の営みに畏敬の念を感じます。

山に苗木を植えるなんて背伸びをしなくても、まずは自分の足元から防災対策や環境再生ができるんですから、まだまだやれることはたくさんあるなぁ。

高田宏臣著:『よくわかる土中環境』 ↓ ↓ ↓